今日は新年初のGCAPと診察でしたが、こちらは順調でした。
年末から血便と便回数が増えていて、明らかに再燃の様相を呈している状態で、ノロウィルスで入院する前の状態に戻りつつある。
そこで、今回は免疫調整剤の一つであるイムランを使ってみてはどうかと話があった。
以前イムランは同じ免疫調整系のタクロリムスが発売される前に使われていた薬というイメージがあったが、最近は寛解維持の治療薬としてポピュラーになってきているとのことだった。
このイムランという薬、以前添付文書情報を見ていたとき、生殖機能に影響があると見たことがあったので先生に聞いてみた。
以下先生からの回答
確かに添付文書情報では胎児への影響が記載されているが経験上は(胎児への影響は)聞いたことがない。
FDA(アメリカの食品医薬品局)では妊娠に対する薬の影響をA~D、Xと分類している(FDA薬剤胎児危険度分類基準という)。
この中でアサコールやペンタサはB、プレドニンはB~C、プログラフ(タクロリムス)やイムランはC。
とのことだった。
そこで自分も調べてみたらいつも見ている添付文書情報にも基準があった!
この説明にある記述の組み合わせで妊娠時の危険性を表現しているんだな。
またこのページには「禁忌でないからといって一概に安心とはいえませんし、逆に禁忌薬であっても必ずしも危険性が高いわけではありません。」という記載もあった。
やはり病状によっても相対的な危険度が変わってくるってことだね。
以上の話をふまえてイムランの添付文書情報を確認すると・・・
「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。」とはっきり書いてありました。
また「本剤投与中の患者には男女共に避妊を行わせること」とも書いてあり、女性だけではなく男性にも影響のある薬剤って事が確認できた。
そこで、どうするか・・・1週間考えて対応を決めることにした。
寛解維持としてこの薬を使う場合、2年~3年といった長期スパンで飲む事も可能な薬で妊娠予定の2~3ヶ月前に薬を一旦中止しなければならない。
いろいろな点を考えると妊娠予定がなくなった時に始めるべきか、今から寛解維持優先して服用するべきか(妊娠予定の時にイムランを中止する)、迷っています。
というわけで今日は今後の治療方針について非常に考えさせられた一日でした。
来週まで結論を出します。
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